WOWOW連ドラ「夜がどれほど暗くても」11月放送
2020/12/12
“どんでん返しの帝王”の異名を持ち、映画『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』など数々の作品が映像化されてきた中山七里氏のサスペンス小説「夜がどれほど暗くても」が、WOWOW連続ドラマWでドラマ化される。
主演は、上川隆也。
事件の加害者家族と被害者家族は、憎しみ合うのは当然だが、社会からは、同じように被害者としての立場とも言える。
そんなお互いが心を通じ合わせられるのか?というところにこのドラマの狙いがあるようだ。
相反する立場でも、さらに第三者からみるとお互いに同じ被害者としての立場で共感できるのかもしれない?
目次
「夜がどれほど暗くても」あらすじ
主人公の志賀は、有名なスクープ専門週刊誌の副編集長で、仕事も評価されて平穏な人生を歩んでいた。
突然、ひとり息子がストーカー殺人事件を起こし、被害者とともに自ら命を絶ったという知らせが入る。
スクープを追う立場だった志賀は、一転、追われる立場になってしまう。
系列のゴシップ週刊誌へ異動させられ、その社員にも邪魔者扱いされてしまい、
さらに、凶悪事件の容疑者家族として世間からバッシングを受け、まさに絶望の淵に立たされていく。
そんな中で、被害者の一人娘、中学生の奈々美との出会いの中で、少しずつ希望を取り戻し、事件の真相に迫っていく。
そして、少しずつ浮かび上がっていく新真実と深い闇の中で志賀が見つけた一条の光。
「夜がどれほど暗くても」見どころ
犯罪の当事者になってしまった人間は、理不尽な扱いを受けて、それをどう乗り越えて行けばよいのか。
そして報道の自由や個人情報はどこまで許されるのか?
人間の心に潜む都合の良い正義感とは何なのか。
本作品は、被害者家族と加害者家族がどこまで憎しみ合うのか、また和解や信頼関係を構築することができるのか。
実際に、当事者の立場に成ってみなければ理解できそうにない人間の心理を丁寧に描いている。
さらに、主人公・志賀の慟哭と執念が引き起こす奇跡の物語でもある。
絶望からどうやって帰ってくるのか、最後に救いはあるのか。
考えさせられる作品といえる。
「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」は11月から毎週日曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全4話。第1話は無料放送。
原作者・主演のコメント
上川隆也(主演、志賀倫成役)
今回の役は、これまでのWOWOW出演作品の中でも…もっと言ってしまえば、これまでのキャリアを見渡しても、演じてきたことのなかった様な人物です。
今はこの『志賀倫成』という男と、どの様に相対することになるのかが楽しみです。
中山七里先生の『テミスの剣』に出演した時、日々味わっていた役者としてのスリリングな感覚は、今でも忘れられません。
今回も先生の世界の中に浸れることを思い、今から期待に胸を躍らせています。
中山七里氏(原作者)
今年の3月に親本が刊行されたばかりだったので、わたしの原作の映像化では最短記録です。
意図的にタブーとされるテーマを選び映像化はされにくいと思っていたので、尚更でした。
主演が上川さんと聞いた瞬間、「ああ、もう原作者が口を差し挟む余地は何もないな」と安心しました。
上川さんは『テミスの剣』でも主演を務めていただき、全幅の信頼を置いていました。
「夜がどれほど暗くても」原作者の意図
原作者・中山七里氏は、デビュー十周年を迎えた今年は十二か月連続刊行という偉業にも挑んでおり『夜がどれほど暗くても』はその第三弾にあたる。
選んだテーマは「和解」。
二つの対立軸が最終的にはお互いを知り、認め合うような結末にしている。
二つの対立軸とは、殺人事件をきっかけに生まれた加害者遺族と被害者遺族のことです。
加害者遺族となるのが主人公の志賀。
息子がストーカー殺人の容疑者で、しかも事件現場で死亡するというショッキングな状況から始まりますが、物語をさらにスリリングにしているのが、志賀が不倫スキャンダルなどを追う週刊誌記者だということです。
社会的にはどちらかと言えば、あまり善人には見えない主人公の設定となっている。
そして、話の最初から最後の局面に至る過程で、主人公の志賀が変わっていく姿を描いているのです。
加害者遺族も被害者遺族も実は似たもの同士?
マスコミというと時代の最先端で働いているようなイメージですが、その仕事は地道で泥臭いことの集積で、編集方針などで自分の志や心情を曲げなければいけないこともあるだろうし、綺麗なことだけでなく汚い部分も抱えている。
当然、人間性も一筋縄ではいかない。
加害者遺族となる主人公の志賀という男がどう変わるのか?
同業誌の記者に詰め寄られ、世間からも叩かれて、被害者にもなるのではないか。
そして、被害者遺族となるのが中学生の奈々美です。
両親を殺されてしまったにも拘らず、イジメにあうなど、必ずしも世間から同情されるばかりではない存在として描かれている。
事件に関わってしまったら、加害者遺族も被害者遺族も実は似たようなものではないか。
同じように十字架を背負い、同じように世間の目に晒される。
だったら、立場は逆といえども、どこかで分かり合えるのではないか。
そんな思いが描かれている。
岡田結実、「夜がどれほど暗くても」で被害者遺族の少女役
タレントで女優の岡田結実さんが、「連続ドラマW 夜がどれほど暗くても」に出演することが9月25日、分かった。
岡田さんがWOWOWの連続ドラマWに出演するのは今回が初。
被害者遺族の少女・星野奈々美を演じ、本格サスペンスで新境地に挑む。
岡田さんが演じる奈々美は、主人公・志賀倫成(上川隆也)の息子が引き起こしたストーカー殺人事件によって両親を奪われた女子高生。
容疑者が死亡すると、その父親である志賀に恨みを募らせる。
しかし、彼女の存在が志賀の運命を変えることになるという役だ。
岡田結実さんのコメント
WOWOWのドラマに出演させていただくのも初めてですし、今までの私の少ない役者経験の中では、明るい役や楽しい役を演じることが多かったので、その中で星野奈々美を演じるということは私にとってはある意味チャレンジです。
お話をいただいた時は、興奮と同時に不安がありました。
未だに私でいいのかな、なんて思ったりする日もあります。
そして私が初めて連続ドラマに出させていただいた時も中山七里先生のお話でしたので、あの時の想いをリベンジできるように努めたいです。
本を読んだ時の衝動的な感情、そしてドラマに携わるスタッフさんの思い、周りの役者さん方のエネルギーを存分に蓄えて、私なりの星野奈々美との重なりを表現できるようになりたいという気持ちで、今はいっぱいです。
原作
タイトル 夜がどれほど暗くても
著者 中山七里 [著]
出版社 角川春樹事務所
価格 1,760円(税込)