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野坂昭如さんの遺した「火垂るの墓」の真実!

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黒い眼鏡で、強い正義感を貫いていた作家、

野坂昭如さんが12月9日に亡くなられました。

ご冥福をお祈りいたします。

 

これを観て泣かない人はいない、ジブリ作品「火垂るの墓」。

野坂昭如さんが後に語った真実。

ジブリ作品としての「火垂るの墓」

野坂自身の戦争原体験を題材に、浮浪児兄妹の餓死までの

悲劇を独特の文体で描いた作品です。

戦争の生んだ悲劇をこれでもかと描き、

これを観て泣かない人はいない高畑勲監督の名作です。

この映画を見ると本当に悲しくて、涙が止まりません。

だれでもそうだと思います。
しかし、野坂が書いた真実は、単に美しいものではない。

後に原作者・野坂が語った「火垂るの墓」の真実

文字にしたとたん、嘘が混じる。

「火垂るの墓」は、ぼくの体験にもとづいてはいるが、

実際の妹はまだ1歳4カ月、喋れなかった。

作中では4歳の妹が喋る。

主人公の兄は、飢えた妹に最後まで優しい。

しかし、ぼくはあんなにやさしくはなかった。

自分を哀れな戦災孤児に仕立て、妹思いの兄のように書いた嘘が、

野坂にとっては、重荷になる。

わずかな米をお粥にして妹にやる。

スプーンでお粥をすくう時、どうしても角度が浅くなる。

自分が食べる分は底からすくう。

実のあるところを食べ、妹には重湯の部分を与える。

幼い妹の世話は父や母のように出来ない、

妹に食べさせるつもりの食糧まで自分が食べてしまい

生後1年半の妹を死なせてしまったと

現在でも悔やんでいるのです。

戦時中の状況を考えると仕方がないことだが、

野坂の心情は計り知れません。

妹が自分の手の中で死んでいったこと、

亡骸を自分で火葬したこと、

その骨をドロップ缶に入れていたこと、

この辺りのエピソードは、すべて実話です。

また妹を喜ばせるために、

蚊帳の中に蛍を放ったことなども実話。

全てが創作というわけではありません。

原作では触れられていた"清太の葛藤"。

小説だと清太が空腹に耐えかねて、

節子のための缶ミルクを飲んでしまうという描写がある。

この作品自体が、野坂の懺悔となっている。

これは反戦を訴えながら、反戦という狭い枠にとどまらず、

生きていくことの奥の奥、人間の原罪を描ききった名作なのです!

つらすぎる名作なのです!

さらに後の作品「わが桎梏(しっこく)の碑」で

明らかになった衝撃的な過去。

『わが桎梏の碑』で、敗戦の混乱の中で衰弱死していく

自分の妹を横目に自分だけ食べ、放置し、

しまいには妹の太腿にさえ食欲を感じたと書いている。

飢えた妹はよく夜泣きした。

野坂は泣き止ませるために頭を叩いて

脳震盪を起こさせたこともあったという。

妹に対する扱いは虐待に近かったことを野坂も認めている。

●宮崎駿が語った作品の矛盾
『火垂るの墓』の主人公である清太の父親は

海軍大佐の設定。

巡洋艦の艦長の息子は絶対に飢え死にしない。

それは戦争の本質をごまかしている。

それは野坂昭如が飢え死にしなかったように、

絶対飢え死にしない。

海軍士官の息子なので、父親が戦死したとして

相当な額の補償金が入り保護もあったはずです。

しかも7,000円というお金を持ち(当時)病院で

節子を見ることも出来ていたはずです。

当時の7,000円は現在の700万円くらいの価値がある。

高畑監督は、

「周囲の人々との共生を拒絶して社会生活に

失敗していく姿は現代を生きる人々にも通じるものである」

「特に高校生から20代の若い世代に共感してもらいたい」

と語っています。

実際には飢え死にするはずのない

「海軍士官の息子」という設定にあえてした理由は、

「戦争の悲惨さ」だけでなく「社会から孤立した結果」を

描きたかったからなのかもしれません。

原作者の野坂昭如も、全然書くつもりが無い話だったらしい。

超過密スケジュールの中、担当編集者から毎日のように

原稿を催促され、仕方なく喫茶店で適当に書き上げたそうだ。

娘が学校で

「火垂るの墓の作者は、どういう気持ちでこの物語を書いたでしょうか」

という宿題を出され、父親であり作者である野坂に

「どういう気持ちだったの?」と聞いてきたので、

「締め切りに追われ、ヒィヒィ言いながら書いた」と答えた。
ぼくの小説が戦後六十年経った現在、違う形となり、

今を生きる人たちに、戦争の惨たらしさを少しでも伝えられれば、

原作者として有難いこと。

最初は書くつもりがなかった作品とは言え、

結果的に多くの人を感動させる作品となった。

野坂昭如の才能がいつまでも残るすばらしい作品です。

毎年、終戦記念日近くに放送されますが、

毎年見て、戦争の悲惨さを伝えたいですね。

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