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ドラマ 下町ロケット

『下町ロケット』の佃航平のような人が日本にいる!

2015/11/11

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人気の連続ドラマ『下町ロケット』

 

阿部寛演じる主人公、佃航平は宇宙開発の研究員だったが

自身の開発したエンジンを載せたロケットの打ち上げに失敗。

その責任を取らされ退職し、父親の遺した町工場を継ぐ。

しかし、捨てきれないロケット開発の夢を追い続ける。

というストーリーだ。

 

原作は直木賞を受賞した池井戸潤の同名小説。

文庫版を含め累計130万部を超えるメガヒット作である。

 

池井戸潤原作のテレビドラマといえば、

『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』『花咲舞が黙ってない』

『ようこそ、わが家へ』など高視聴率の人気作が多く、

この秋、テレビ関係者を中心に『下町ロケット』への注目が集まっている。

 

その主人公・佃航平の夢とその苦闘を体現しているような人物が

ここ日本にいる。

 

世界的な講演会を主催する非営利団体「TED」。

「広めるべきアイデアを共有する場(ideas worth spreading)」の

精神を基に、世界を牽引する思想家や活動家がプレゼンテーション

することで有名だ。

 

マイクロソフト創始者のビル・ゲイツ、ロックバンド「U2」のボノ、

映画監督ジェームズ・キャメロンなどがこれまでに登壇しており、

全世界の人がネット動画などを通じてその模様を見ることができる。

 

そのTEDにおいて各地域で開催される個別のイベントが「TEDx」。

その一つ、2014年7月に北海道・札幌で開かれた「TEDx」に登壇した

1人の日本人のスピーチが、世界の人々の心を打った。

 

植松努。

北海道赤平市の小さな町で、従業員18人の植松電機という町工場の

専務を務める人物だ。

 

この工場では最先端のロケット事業を行っている。

「NASA(米国航空宇宙局)より宇宙に近い町工場」と呼ばれ、

世界中から技術者が視察に訪れる。

 

「僕は小さい頃から飛行機やロケットが好きだったが、やったことの

ない人から『できるわけない』と散々言われた。でも思い続けたら

できるようになった」

 

直接のモデルではないものの、そんな植松さんの姿は、

連続ドラマ『下町ロケット』の主人公・佃航平と重なる。

 

佃航平が劇中で訴える言葉がある。

「町工場は夢を見てはいけないのか?」

 

誰もが夢をみる。しかし、多くの夢は、いつか潰えてしまう。

1966年に北海道芦別市で生まれた植松さんは、幼い頃、

祖父とアポロの月面着陸を見た。

太くて大きな腕に抱きしめられ、ロケットに夢を馳せた。

 

しかし、その夢は何度も壊されそうになった。

 

夢は「思えばかなう」

「どうせ無理だ。そんな夢を見ても」

「東大に行かなくちゃ、ロケットなんて作れないぞ」

北海道の小さな町で生まれた夢は、消えそうになっていた。

何度も。多くの大人がそうであるように、植松さんも夢を諦めそうに

なっていたが、母の言葉が救う。

 

「思えばかなう」

 

宇宙にあこがれる植松さんは、その言葉を信じた。

大学では流体力学を学び、名古屋で航空機設計を手掛ける会社に入社する。

そんな植松さんが、父親の興した植松電機に転身したのは

1994年、28歳のときだ。

 

植松電機は1962年創業。

炭坑用の特殊電動機や電気製品の販売修理を手がけていた。

植松さんの入社当時は、地元の炭鉱が次々と閉山し、

植松電機も仕事が目に見えて減少していた。

 

経営はどん底だったが、植松さんは産業廃棄物からの除鉄、選鉄に

使う電磁石の開発に成功。会社の危機を乗り越えた。

 

植松さんは2005年より北海道大学との共同研究で、

カムイ(CAMUI)ロケットを開発する。

カムイロケットとは、これまでの液体燃料または固形燃料を使う

ロケットとは異なり、固体と液体、両方の燃料を使うハイブリットタイプ。

打ち上げ単価は従来の1/10以下に抑えられる。

 

その後、植松さんは人工衛星やカムイロケットの開発・打ち上げに成功。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同実験なども実施する。

現在、植松電機の主な『宇宙開発事業』は、「ロケットの開発」のほか、

「無重力実験棟」「小型人工衛星の開発」

「アメリカの宇宙開発民間会社との交流」など。

 

これに世界が注目しているのだ。

まさに「リアル下町ロケット」と呼んでも差し支えない。

 

だが、順風満帆だったワケではない。

大会社から転じた先の町工場で待ち受けていたのは、現実の連続だった。

 

最大の苦難は資金繰りだ。

町工場の経営者は、原料の仕入れ代、光熱費、従業員の給料支払いなど、

常におカネを工面していかなければならない。

 

植松さんはこう振り返る。

「支払いが出来ず、子供のお年玉まで使わなければならなかった。

心がたまらなくすさみ、とんでもないことが心によぎることもあった」

夢は、おカネに砕かれそうになった。

 

町工場は大企業からの発注が生命線。

それが切られたら月末の支払いが滞ってしまう。

社員たちにも、給料が支払えない。

 

一方、大企業は契約解消を振りかざしながら、容赦なしに町工場に

仕入れ値の削減を強いる。

 

町工場は、製造品のクオリティを保つために、極限までコストを削る。

植松さんの体験は、常に大企業との攻防に頭を悩ませる佃航平と同じだ。

 

イギリスで18世紀の半ばから起きた産業革命によって、

職人の技能である「クラフトマンシップは死ぬ」といわれた。

 

しかし、それから150年が過ぎた今、イギリスのクラフトマンシップは、

以前よりも見直されている。

 

機械は人間の仕事を奪っていったが、突き詰めていけば、結局、

人間の手で作る製品に機械が勝てない部分も多い。

 

『下町ロケット』の劇中でも町工場の製品が、他を圧倒するシーンがある。

町工場の強みは、機械でも作れないモノが作れる事だ。

最新のテクノロジーには、いつも町工場の部品が使われている。

それが最大の武器だ。

 

町工場の強みは「特許」と「社員の絆」

町工場の武器は、技術の他にもう一つある。

それが特許だ。

 

どんな大きな会社であっても、特許には手出しができない。

ただ、ここにはリスクがある。

特許を取るには、膨大な研究費が必要だ。

 

植松さんも研究費の捻出には、大いに苦しんだ。

研究費をつぎ込み、特許取得というギャンブルに挑み攻めるのか?

それとも、ずっと下請けを続け、工場を守るのか?

 

ドラマの中で主人公・佃航平は何度も厳しい局面に立たされる。

植松さんは社員たちを説き伏せ、研究を続け特許を取得。

ドラマの中で佃航平も同じような場面に直面する。

 

特許によって、下請けだった町工場と大企業の立場が逆転。

攻めの経営が成功し、弱者が強者に勝つ構図をつくったのだ。

 

町工場の技術を支えるもの、それは「社員の絆」に他ならない。

一つの製品を作るために、社員たちが、長年の経験からアイデアを

出し合い、自分が得た高い技術を、同僚に惜しみなく伝える。

彼らは、共通の職人魂を持つ。

 

植松さんは社員を「仲間」と呼ぶ。

全国で講演を行ったり、北海道内の小学校で積極的にロケット開発の

授業を手掛けたりする植松さんの下には、多種多様な人材が集まる。

 

エリートではなく、元保育士や元焼肉屋さん、高卒の人も多い。

仲間だから、フォローしあい、言いたいことがいえる。

すると、自分たちの実力以上のモノができる。

 

実際、彼らの元には、毎年、NASAの研究員が視察にやってくる。

 

植松さんは

「『どうせ無理』という人間の自信と可能性を奪う最悪の言葉をなくしたい」

と訴えている。

 

大人は、いくつも夢をあきらめてきた。

「ミュージシャンになりたい」「科学者になりたい」。

しかし、たいていの人はその夢をかなえられない。

「社会人になるということは、夢をあきらめるのと同じだ」という人もいる。

 

だが、町工場が宇宙へと羽ばたいたように、たとえどんな境遇に

遭っても夢を叶えることは不可能ではない。

 

夢を持ち続けることの大切さを植松さんは教えてくれる。

(出所:東洋経済オンライン)

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